近所の池の畔にも桜が咲き始め、分厚い重ね着をしなくても
外を歩けるようになってきたこの頃。
そろそろ春ですねぇ。

そうそう春なんだよ、春だというのに、わたくしはというと、
最近やたらと周囲で良くないことがつづくので、
何と言うのか、少しうつむき加減な毎日を送っていた。
直接自分に降りかかってくることじゃなくても、
連続するとそれなりにダメージはあるわけで…。

それに加えて、私の元気の源である音楽の世界では、
昨年からの解散ラッシュときた。
もう勘弁してください！（泣）
それぞれにいろんな事情があるのはわかっちゃいるけど、
こう多いと１つのアーティストの最期を見届けることもできません。

そんなわけで、小さな事で喜ぶことはあっても、
もやもやとした空気はそのまま引きずったままなのでした。

でもそんな折りに見たBECKちゃんのPV「E-PRO」。
メチャメチャ弾けてます。っていうか何なんですかコレ？（笑）
ピコピコしたサウンドに乗った軽快な歌い出し、
サビは思わず踊りだしてしまいそうな“ナナナ”のコーラス。
見て聞いた瞬間、頭の中でなにかがプツリと切れる音がした。（笑）


暗い画面。
絵本のようなラインだけのイラストをバックに
これまた線画の棺桶から上下白い服を着たベックちゃん復活！
（以降ベックとイヌ以外は線画イラストです）

赤いスコップでせっせと墓場を掘り起こし、
中から愛犬を掘り出すベック。
まわりで１人と１匹の復活を阻止しようとする
がいこつ軍団たちに襲われるが、
ふわふわと宙を飛ぶ愛犬を片手にスコップで応戦。

わらわらと次第に数が増えるがいこつ軍団。
空飛ぶ愛犬に引っ張られながら墓場から逃げ出すベック。

それを追うがいこつ軍団。
線画の赤い自転車に乗って逃げるベック。（ワンコは前カゴに：笑）
追いすがるがいこつくん。
カニか蜘蛛のように足を出した自転車がそれを振り切り
どんどんビルを駆け上がっていく、上へ進むとそこには謎の森が。
ベックだけ森（楽園）の中に進入成功。
木を駆け上がり、縦横無尽に進むうちに、
鳥の巣の中に大きな宝石を発見したベック。
思わず拾い上げるが、それを守る鳥のようなモノに
おそわれ、ベックの首から上を持って行かれてしまう。

ふわふわと運ばれたその先にはドラム型洗濯機があって、
その中に（頭だけ）放り込まれたベック。
ぐるぐると回転したあと、その勢いで投げ出され海に落ちる。
水中を流されながら、流れてきた線画のピザを食べたら、
糸が付いてて紳士風のカエルに釣り上げられるベック（の頭部）。
そのあと勢いのまま砲弾の中に入れられ発射。

ビューンと勢いよく飛ばされたその先には、
白い上下の体に先程掘り起こした愛犬の首をつけたイヌ人間が
スコップで何かを掘り起こしていた。
その横で何かを待ちわびるように、ステップを踏む
首無しの白い体の上下。

イヌ人間が掘り起こしたのは、飛ばされたベックの頭で
放射線を描いて、白の体の上に落下して、合体。
海でふやけたのか、体の割に頭が大きくなっている上に、
飛ばされたときの風圧で髪がぼさぼさのベック。（笑）
安心したのもつかの間、背景の柵だと思っていた部分が
立ち上がり、大きなドクロにまた追いかけられるベック。
アンバランスな体で懸命に逃げるベック。
追いつめられた勢いで、崖から飛び出し、空に浮かんだ
音符の上を走り進む。（ドクロは崖下へ落下）
飛び越えた音符の橋は、次々に落下していき、
最後に飛び乗った音符に取り残されてしまうベックちゃん。
身動きがとれず困った様子のベックの姿でこの物語は終わっている。


なんのこっちゃ！？（笑）
ゆる過ぎるっ！　めまいがするほどゆるい作品。
100％CGを利用しているだろうに、妙にアナログな
匂いのする平面的なCG使い。
バカバカしくて、ポップで、でもちょっと毒を含んだ
これぞ完璧なベックワールドだ！　ブラボー！

ベックが運んでくるサウンドと脱力した笑いは、
心のもやもやを吹き飛ばし、人をお祭り気分にさせる力があるようだ。
何度もPVを見るうちに、すっかり浮かれ気分の春モード到来。
思わずはな歌を歌いながらスキップでも踏んでしまいそうな気分になった。
あぁ、やっぱり春は浮かれてたいよね。

（そんなことを書いている今日はすごく寒かったんですけどね！：苦笑）