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感想文


読書の秋です。(いや、もう冬でしょうか?)
明け方まで、荻原規子『白鳥異伝』<下巻>を一気読みしてしまいました。

すでに刊行されている同シリーズの『空色勾玉』、『白鳥異伝』<上巻>は既読。

「西の善き魔女」シリーズでハマッた荻原規子さんの作品には、
世界観は違えど、深い悲しみを抱える主人公と、相反する力強さを備えた
主人公が出てくる。
ストーリーの根底には、どうしようも出来ない現実があるんだよ…という絶望感を
漂わせながら、そのくせ出てくる登場人物には嫌と言うほど逆らわせて見せたりする。
(しかも大抵その役目は女の子で、荻原氏の書く男の子は堪え忍びキャラなのがまたおもしろいところだ。)

その登場人物の逆らいっぷりがあまりに極端なので、読んでいて痛快な思いがする。
抗えない力に対して、健気に立ち向かうと言うのはよくある話だが、
荻原氏の書く主人公は、我慢することをせず突進するのだ。
(いや我慢はしてるんだろうけど、結局行ってしまう。)
自分の思った行動はほぼ実行するし、嫌なものは嫌と言いきる。
なんなら「いやだいやだいやだいやだいやだー!」と聞こえてきそうな
その人物の描きようがわかりやすくていい。完全にだだっ子なんだもの。
でも、その芯のとおったというか、芯そのものの人物が、紆余曲折、
困難や絶望に遭いながらも、大切なものを見つけていく姿に共感し、
感動を覚えてしまうのだ。…というかいつも大泣きしてしまいます。(照れ笑)

あと、物語の明暗がはっきりしているわりに、善悪は二極化なく
ボーダレスな感じになっているのが現実味があって気に入っている。

私には言葉で物語の本質なんて伝えられないけど、荻原氏の書く物語は、
ハラハラ ドキドキ わくわくしたあと大泣きしてスカッと爽快になれるお話です。(もっと深いけどね)
要はおすすめですよー!ってことです。はい以上!

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Last Update : 2005/11/05